2016年10月9日日曜日

『名もなき毒』

杉村三郎シリーズの二作目.トラブルメーカーのアルバイト女性に対処しているうちに,無差別毒殺事件で殺された遺族と知り合い,...というお話.読んだのは,単行本版.

良いところ:
  1. 登場人物のきめ細かい描写
  2. 主人公の杉村三郎が抱える場違い感とか,空虚さが伝わってくるところ
  3. 退屈させない.読み進められるところ
残念:
  1. 少し慌ただし過ぎると感じるところ
  2. 原田いずみがああなった理由がはっきりとしないところ
  3. 装画 (杉田比呂美),装幀 (緒方修一)
原田いずみに関して色々語られるが,それっきりのところあり.そもそも原因がはっきりするようなことでもないとは思うが.装幀・装画は前作の方がずっと作品に合っている.

前作とは打って変わり,冒頭でいきなり老人が青酸カリ死したり,部下の女性アルバイト (前作から代わっている) が編集長と大喧嘩したりと,慌ただしい.終盤でもこのアルバイトは大暴れで,楽しんで読めたが,寝る前の読書には(続きを読み進めたくなるという意味で)前作の方が向いている.


名もなき毒
2006/8/25
宮部みゆき

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