読んだのは,2010年6月28日版.増補版が2014年8月6日付けで出版されている.書名の通り,自動車で用いられているエレクトロニクスについて,多数の図を交えて俯瞰している.内容は,歴史,ハイブリッドシステムを含むパワートレーン,走行安全,ボディの各制御,カーナビ,そして通信である.
良いところ:
- カーエレクトロニクスについて,使われ方一通りを簡単にながらも知ることができるところ
- 歴史,進化の様子が,簡単にながらも見て取れること
残念:
- 章によって,記述の質にバラツキがある.パワートレーン関連は充実している.通信は極めて淡泊な技術
- 図のわかりやすさにもバラツキがある.機構部品の説明図で,各部の名前だけが記されたような図が多数あるが,原理が見て取れるような図は少ない
- ボディ制御 (第五章) と通信 (第七章) では参考文献が上げられていない
新人にとりあえずこれをまず読めと渡すには無難だが,買わせるのは度胸がいる本と思う.と言うのも,カバーする範囲が広過ぎることと原理の説明が表面的で,読み終えても何となくわかったような,しかしどれ一つとしてこれからどんどん勉強していけそうな気にはならないという読後感が残るため.二度読む気はしない.
2010/6/24
デンソーカーエレクトロニクス研究会 (著), 加藤 光治 (監修)
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