2017年1月15日日曜日

『天使と悪魔』(上・下)

主人公のラングドンは,ハーバード大学教授で図像学者.CERNの所長に招かれスイスに飛び,そこである研究者が殺され,都市を消滅させられるような量の反物質が盗まれ,バチカン市国に持ち去られたことを知る.研究者の娘とともにローマに飛んだラングドンは,... というお話.ダン ブラウン著,越前 敏弥訳の単行本版.

良いところ:
  1. CERN,反物質,キリスト教,バチカン市国,ローマ等,様々なことについて知ることができる
  2. 息をつかせぬストーリー
  3. 字が大き目,行間も広めで読みやすい
残念:
  1. 長い
  2. 普段,宗教に縁遠い者には,教会関係者の心理描写に共感がわかない
  3. 終盤,主人公に関して荒唐無稽過ぎて興ざめ

ベストセラーで2009年に映画化もされている.世の中には物知りな人がいるんだなぁと思わされる.ただ,研究者の娘とか,話の中では魅力的な人物のようなのだが,人物描写からは伝わってこない.犯人の動機は,理屈はそうなのかもしれないが,まったく実感がわかない.終盤,ラングドン,ヘリコプターときて,いや,それはないだろうと思った.

つまらなくはないが,好きにはなれなかった.


天使と悪魔 (上)
2003/10/30
ダン ブラウン (越前 敏弥訳)

天使と悪魔 (下)
2003/10/30
ダン ブラウン (越前 敏弥訳)

2017年1月9日月曜日

低温雑煮

お正月に,『強火をやめると』本の「煮込み」(p.74~)を参考に,おそらくこんな風にやるのかな的に試してみた.当然のことながら,低温で食べる訳ではない.本のp.34にあるように「低速加熱」して作る雑煮というのが,実態に即している.

材料
大根,ニンジン,里芋,ほうれん草,鶏肉,餅

調味料・香辛料
白みそ,液体出汁

作り方
  1. 野菜は皮をむいて,大体同じ時間で煮えるよう,大根・里芋は気持ち大き目,ニンジンは小さめに切る.
  2. 冷えたままの鍋に大根,里芋,ニンジンを入れて,浸る程度に水を入れ,かすかに味が付く程度に液体出汁を入れる.
  3. 弱火で加熱する.ところどころでたまにプクッと沸く程度になってきたら,その沸き具合を維持するよう火をこまめに調節する.
  4. 食べ頃手前まで煮えてきたら,一旦ザルにあける.煮汁は捨てる.
  5. 同様に,ほうれん草を茹でる.食べ頃手前まで茹で上がったらザルにとる.煮汁は捨てる.
  6. 鶏肉を適当な大きさに切り,フライパンにサラダ油を引いて皮目を下にして並べ,中弱火で焼く.最初に出てくる水分や脂分はキッチンペーパーでふき取り,肉の色が変わってきたら裏返してやり,同様にキッチンペーパーを使いながら焼く.
  7. 鍋に水,液体出汁を入れ,下茹でした大根,里芋,ニンジン,焼いた鶏肉を入れて,中火で加熱する.
  8. 並行して餅を焼く
  9. 餅の焼き上がりを見計らって,白みそを溶いてみそ汁にする.
  10. 器に焼いた餅を入れ,みそ汁をかけて,下茹でしたほうれん草を載せる.かつお節を一つまみ載せて,出来上がり

日本のお正月~お雑煮をめぐる物語~によると,白みそ仕立ての雑煮を食べるのは大阪を中心に西は兵庫・徳島,東は滋賀・奈良の辺り (「白味噌文化圏」)らしい.かく言う筆者は,大阪出身です.

本の「ゆで野菜を作ろう」(p.78~)に従うならば,下茹ではうすい出汁ではなく「0.8%の塩分濃度の水」が正しいかもしれない.

下茹でに使った煮汁にはアクが出ていて,使えない.捨てるべし.

気持ちの問題のような気もするが,大根,里芋が煮崩れせず,味が染みてかつほっこりとしている気がする.ニンジンはニンジンらしい味が強まり,鶏肉も鶏の味がしっかりしている気がする.

例によって時間はかかるし,手間もかかる.でも,それらに見合った,嫌な味がないすっきりとした美味しい雑煮が出来上がると思う.ぜひお試しあれ.

2016年12月17日土曜日

『納得のいく死に方 医者との付き合い方』 (週刊東洋経済2016.9.24)

冒頭の「死と向き合う人々」に始まり,Ⅰ章 「納得のいく死に方」,Ⅱ章 「医師・薬と正しく付き合う」からなる.在宅死,延命治療・終末期医療,過剰診断,多剤投与,残薬,「終の住処」選び,(崩壊に瀕する)医療制度,といったことが記載されている.

良いところ:
  1. 死についての書きづらいであろうことが書かれている
  2. 高齢者偏重ともとれる医療の現状が書かれている
残念:
  1. 海外先進国の実情,取組が参考になると思われるが,取り扱いがとても少ない
  2. 過剰受診や膨らむ医療費に対する対処法の提言が少ない(ように感じた)
救命救急センターで激増する高齢者とか,高齢者に「がん検診」は必要かとか,「長生き」志向は間違っているとか,大変考えさせられる.「新たな透析患者は75~80歳が最も多い」等の事実には驚く.結局,GDPの10%超を費やして,高齢化社会にまい進しているということか.

上野千鶴子氏のインタビューの最後,「介護保険制度は絶対に後退させてはいけません」「自分たちの老後を危うくする政権を選択すると,自分の首を自分で締めることになりますよ」は,あまりにも老人視点のエゴではないか.誰がその費用を負担しているかとか,制度が持続可能かといった観点がまったく欠けている.


週刊東洋経済 2016年9月24日
2016/9/17




2016年12月4日日曜日

『図解カーエレクトロニクス [下] 要素技術編』

読んだのは,2010年6月28日版.上巻と同様,増補版が2014年8月6日付けで出版されている.システムを俯瞰していた上巻に続き,要素技術としてECUのハードウェア・ソフトウェア,センサ・アクチュエータ,半導体素子,製造技術,車両内ネットワークの動向や,設計支援ツール,故障診断,EMC (電磁両立性),信頼性技術と言ったユーザに意識されない技術についても多数の図を交えて触れている.

良いところ:
  1. 個別の技術に関して,少し突っ込んだ説明がなされている.
  2. 多くの技術について,参考文献が上げられている
残念:
  1. 上巻と同様,章によって,記述の質にバラツキがある.センサ,信頼性技術については比較的に充実している.共通標準部品化や国際標準化については,アッサリとしている
新人に上巻の次はこれを読めと渡すには無難な内容.が,二度読むような内容でもない.この辺りは,上巻と同じ.値段も高いと感じる.

図解カーエレクトロニクス 下 要素技術編
2010/6/24
デンソーカーエレクトロニクス研究会 (著), 加藤 光治 (監修)



2016年11月27日日曜日

『燃える男』

主人公のクリーシィは生きる目的を失っていた元傭兵.ある実業家の娘ピンタのボディガードとして雇われ,彼女と心が通い合うようになった.が,そのピンタが誘拐され殺されてしまう.クリーシィは復讐を誓い,身体を鍛え直し,... というお話.A. J. クィネル著,大熊栄訳の単行本版.

良いところ:

  1. クリーシィやグィドー,ピンタと言った登場人物をしっかりと描写している
  2. 比較的シンプルなストーリー
残念:
  1. (良い話なのに) カバーの絵が何とも古い
  2. 復讐が淡々と進み過ぎる嫌いあり

原著は1980年.二度,映画化されている.人物がよく描き込まれていると思う.ピンタやナディア,ローラに会ってみたくなる.良くも悪くも演出が控えめ.復讐の実行に入っても,ピンチらしいピンチも特になく,どんでん返しもない.誘拐は実は...ぐらいのひねりはあるが,概ね展開の読めるストーリー.でも,面白い.

カバーの絵でずいぶん損をしているように思う.

1982/8/25
A. J. クィネル (大熊栄訳)

2016年11月20日日曜日

低温肉じゃが

『強火をやめると』本では取り上げられていない.おそらくこんな風にやるのかな的に試してみた.味付けはすき焼きの割り下をヒントに,かなり薄めで.

材料
ジャガイモ,玉ねぎ,ニンジン,マロニー,すき焼き用(薄切り)の肉

調味料・香辛料
うすくち醤油,味醂,砂糖,液体出汁

作り方
  1. 大体同じ時間で煮えるよう,ジャガイモは気持ち大き目,ニンジンは小さめ,玉ねぎは少し大きめに切る.
  2. 醤油,味醂,液体出汁,砂糖で割り下を作る.目安は重さで1:1:1:0.5ぐらい
  3. 冷えたままの鍋に野菜を入れて,野菜が浸る程度に水を入れ,割り下を入れて味を付ける.
  4. ところどころでたまにプクッと沸く程度になってきたら,その沸き具合を維持するよう火をこまめに調節する.
  5. ジャガイモが食べ頃に煮えてきたら,マロニーを入れる.
  6. さらに,牛肉を広げるように入れて,割り下を振りかけて肉に味を付けてやる.
  7. 肉の色が変わってきたら裏返してやり,少し煮て出来上がり.

「塩は0.8%」とするのが難しいので味見しながらになるが,汁を舐めて気持ち薄味に感じるぐらいが良いと思う.

マロニーのかわりに,しらたきやくず切りでも良い.入れなくても良い.要は好き好きだけど,マロニーは煮崩れにくいし,肉じゃがに合うと思う.

味は,これまた気持ちの問題のような気もするが,ジャガイモが煮崩れにくく,かつほっこりとしている気がする.ニンジンは,ニンジンらしい味が強まる.玉ねぎも解けずに透き通って,柔らかくなって美味しい.肉を最後に入れてすぐに仕上げることで,固くならず,また肉本来の味がして良い.

例によって時間はかかる.大きな鍋で作る時は,最初の弱火が弱すぎると,なかなかプクッとし始めない.水からなので,気持ち大胆に火を入れても,「細胞壁のペクチンが温存」されつつ,「野菜の甘みは7~10分ぐらいかけてじわじわ出てくる」ようになる.

2016年11月12日土曜日

『ヒューマン・ファクター』

主人公のカースルはイギリスMI6に勤めるスパイで,赴任していた南アフリカ共和国から黒人の妻サラとその息子サムを伴って帰国していた.情報漏れがあって,同僚のデイヴィスが二重スパイとして処分されたが,実は...というお話.読んだのは宇野利泰訳のグレアム・グリーン全集第25巻.

良いところ:
  1. 雰囲気
  2. 母親の描写
残念:
  1. (残念とまではいかないが) 色々なことが,最後までは書かれない
  2. (同じく) 南アフリカでのことがスリリングそうなのだが,あまり書かれていない

映画のジェームス・ボンドのようなスパイらしい(?)活動は出てこない.二重スパイの重苦しさが特に何でというわけではないのだが,伝わってくる.サラとサムがどうなったのかとか,シンシアがどうなったのか,とか気になる.

残念は,例によって無理矢理.書いてしまうと,おそらく雰囲気が台無しになる.

1983/4/15
グレアム・グリーン (宇野利泰訳)

2016年10月29日土曜日

低温すき焼き

鍋料理は,『強火をやめると』本では取り上げられていない.かなり涼しくなってきたので,鍋シーズンの始まりということで,とりあえず低温ですき焼きを作ってみた.

材料
すき焼き用の肉,白菜,ネギ,もやし,焼き豆腐,エノキ等

調味料・香辛料
醤油,酒,砂糖,液体出汁

生卵

作り方
  1. 食べやすさを考えて,大体同じ大きさになるように,白菜,ネギ,焼き豆腐を切る
  2. 醤油,酒,液体出汁,砂糖で割り下を作る.目安は重さで1:1:1:0.5ぐらい
  3. 冷えたままのすき焼き鍋に割り下を入れ,肉以外の具を入れて,弱火で温める
  4. ところどころでたまにプクッと沸く程度になってきたら,その沸き具合を維持するよう火をこまめに調節する
  5. 食べる分だけ,肉を入れて広げ,ゆっくりと煮る.表の色が変わりだしたら,裏返して少し煮ていただく
  6. 味が薄まってきたら,適宜割り下を足す

本には「塩は適当とか少々とかはありません」と書かれているが,すき焼きの場合,「塩は0.8%」というのがよくわからないので気にしないことにした.

味は,気持ちの問題のような気もするが,ガーっと炊くより肉が柔らかいし,白菜もネギももやしも元気(?)な気がする.割り下もくどくならないし減らないし,焦げたりもしないし,ゆっくりいただける.ただし,時間はかかる.

2016年10月23日日曜日

野菜炒め

『強火をやめると』本で紹介されていたやり方で,野菜炒めを作ってみた.P.65に「もやし炒め」の作り方が書かれている.これをもとに,豚バラと野菜で作ってみた.

材料
キャベツ,もやし,ニンジン,ピーマン,玉ねぎ,豚バラ肉 (全部で800g程度で2人前程度)

調味料・香辛料
塩 6.4g (800g × 0.8)
胡椒 少々
サラダ油 少々

作り方
  1. 食べやすさを考えて,大体同じ大きさになるように,キャベツ,ニンジン,ピーマン,玉ねぎ,豚バラ肉を切る
  2. 冷えたフライパンに豚バラ肉を敷く
  3. その上に,切った野菜を盛る
  4. 弱火で加熱する.温まってきた時に,弱くシューっと音がする程度の火力で
  5. 本に書かれているとおりに,水分が出てくるので,キッチンペーパでふき取る
  6. 2分に一回,上下が入れ替わるように混ぜる
  7. 10分程度炒めて,豚バラ肉に火が通っていることを確かめて,塩と胡椒を振ってよく混ぜて出来上がり

食べてビックリ,確かにシャキっとしていて,しかも美味しい.美味しいのは,作った本人だからそう感じるのかも知れないが.塩加減も一切味見しなかったが,丁度良い感じ.これは驚いた.

本に書かれているとおり,水分もほとんど出てこない.不思議である.

この調理法の素晴らしいところは,慌てなくて良くて,他のおかずを作りながらできるところ.みそ汁を作りながら,野菜炒めができてしまう.実に素晴らしい.今度はハンバーグをやってみよう.


2016年10月9日日曜日

『美味しさの常識を疑え! 強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!』

読んだのは,単行本版.

「常識を疑え!」というとおり,「強火で焼いてもうまみはとじ込められない」とか,「野菜は弱火で炒めると水っぽくなる(というのは間違い」とか,数多の料理本・レシピで頻繁に言われることをひっくり返す本.「そこ(料理)には,“適当な”感覚の世界ではなく,“厳密な”科学的な世界があります」という主張に貫かれている.

概略は,以下のとおり.
三つのルール
  1. 火加減
  2. 塩加減
  3. 切り方
火加減
低温加熱ではなく低速加熱

80%ルール ― 焼く前の重量の80%~85%で焼き上がり

焼き始めの肉から出てくる水分は,アクなのでふき取る

塩のルール
適切な塩の量は,素材全部を合わせた重量の0.8%

切り方のルール
まっすぐな包丁でまっすぐに切る
正しいフォーム,包丁の持ち方で切る
良いところ:

  1. 提示されるルールが簡潔でわかり易い
  2. 野菜炒めとか,作ってみたくなる
  3. 切り方のフォームは,写真付きでわかりやすい
残念:
  1. (著者がフランス料理出身のため(?)) 日本料理,中華料理等については具体的な記載はない (野菜炒めは出てくる)
  2. 文字大き目・行間広めで読みやすいが,記述量は少なめに感じられる
  3. イラストが,かわいくない
残念は,やや無理矢理.著者の主張に沿った魚の焼き方とか,卵焼きの作り方とかを知りたくなった.

とにかく,今度,野菜炒めを作ってみよう.


美味しさの常識を疑え! 強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!
2010/2/25
水島 弘史


『名もなき毒』

杉村三郎シリーズの二作目.トラブルメーカーのアルバイト女性に対処しているうちに,無差別毒殺事件で殺された遺族と知り合い,...というお話.読んだのは,単行本版.

良いところ:
  1. 登場人物のきめ細かい描写
  2. 主人公の杉村三郎が抱える場違い感とか,空虚さが伝わってくるところ
  3. 退屈させない.読み進められるところ
残念:
  1. 少し慌ただし過ぎると感じるところ
  2. 原田いずみがああなった理由がはっきりとしないところ
  3. 装画 (杉田比呂美),装幀 (緒方修一)
原田いずみに関して色々語られるが,それっきりのところあり.そもそも原因がはっきりするようなことでもないとは思うが.装幀・装画は前作の方がずっと作品に合っている.

前作とは打って変わり,冒頭でいきなり老人が青酸カリ死したり,部下の女性アルバイト (前作から代わっている) が編集長と大喧嘩したりと,慌ただしい.終盤でもこのアルバイトは大暴れで,楽しんで読めたが,寝る前の読書には(続きを読み進めたくなるという意味で)前作の方が向いている.


名もなき毒
2006/8/25
宮部みゆき

2016年10月2日日曜日

美味しい目玉焼き

「3つ星シェフの作り方」よりも美味しく作れる目玉焼き (以下,記事) を見て,作ってみた.結論としては,美味しい!違いがわかる.シンプルな料理なのに.ポイントはバターを使う,黄身をやさしく扱う,黄身と白身を分けて先に黄身を焼く,蒸し焼きしないの四つ.

以下,気の付いたこと.
  1. 小さめのフライパンが欲しくなる.記事では「厚い18cm」のフライパンを使用するとなっている.焼き物でいつも使う (「ハンバーグを焼く道具」) すき焼き鍋では,白身がが広がってしまい,苦戦.
  2. 卵を常温に戻すために,水に漬けた.冷蔵庫から出して置いておくだけでは,なかなか常温にならない.水冷(温?)で時間を短縮できる.
  3. 「横にしてそっと割る」とは?そっと割るはともかく,横にして割るというのが,わからない.横に持って,卵の横腹を平らな台にぶつけるようにして割ってみたが,失敗の連続.「そっと」割れば,横とかはどうでも良い?
  4. 「手のひらに玉子をのせ」白身だけ落として黄身と白身を分けると良いとのことだが,少し憚られる.いつものようにボールの上で殻と殻の間を行ったり来たりさせた.
  5. バター10gとのことだが,これはかなりの量.度胸が無くケチったが,それでも味の違いがわかった. 
  6. 「蛍火」ということで,IHコンロの一番弱い火で焼いた.白身がなかなか固まらない.10分ほど焼く羽目に.二番目に弱い火だと,強過ぎる.
何はともあれ,この焼き方はおすすめ.「そうだったんだ」と感心すること,間違いなし.


2016年9月25日日曜日

『もてない男 ― 恋愛論を超えて』

7「回」に分けて,男女の関わりについて,「もてない」男の視点で小説や評論を取り上げながら,論じたもの.男女の関わりとしてとりあげられているのは,童貞,自慰,恋愛,嫉妬・孤独,愛人,強姦・誘惑,反恋愛の7つ.書いてみると,刺激的だが,内容は真面目.

良いところ:

  1. 多様な視点を取り上げながら,著者の「もてない」男の視点で意見を述べているところ
  2. 様々な参考文献が上げられているところ.
  3. 最終回の結び.
残念:
  1. LGBTが取り上げられていない
残念は,かなり無理矢理.199年出版の本としては,致し方ないか.

著者のアマゾンのレビュー群は,尋常ではない. 本にまでなっている (『小谷野敦のカスタマーレビュー 2002‐2012』) .


 もてない男 ― 恋愛論を超えて
 1999/1/20
小谷野 敦

2016年9月18日日曜日

『誰か Somebody』

杉村三郎シリーズの一作目.義父の運転手が自転車にぶつけれらて死亡し,残された美人姉妹の相手をすることになり,...というお話.読んだのは,単行本版.

良いところ:
  1. 装画 (杉田比呂美),装幀 (鈴木正道).
  2. 主人公の杉村三郎の人物描写.
  3. イベントが少ないにも関わらず,退屈させない.読み進められるところ.
残念:
  1. 梨子の所業
残念は,やや無理矢理.姉妹の境遇・性格から違和感はないが,人間らし過ぎて悲しい.

物語は装画どおりの雰囲気で,穏やかに進む.主人公のみならず,登場人物がよく書き込まれている.血は沸かないし,肉も躍らないが,とにかく読むのが楽しい.寝る前の読書にピッタリな内容で,かつ寝るのが惜しくなる.

誰か Somebody
2003/11/13
宮部みゆき



2016年9月11日日曜日

『図解カーエレクトロニクス [上] システム編』

読んだのは,2010年6月28日版.増補版が2014年8月6日付けで出版されている.書名の通り,自動車で用いられているエレクトロニクスについて,多数の図を交えて俯瞰している.内容は,歴史,ハイブリッドシステムを含むパワートレーン,走行安全,ボディの各制御,カーナビ,そして通信である.

良いところ:
  1. カーエレクトロニクスについて,使われ方一通りを簡単にながらも知ることができるところ
  2. 歴史,進化の様子が,簡単にながらも見て取れること
残念:
  1. 章によって,記述の質にバラツキがある.パワートレーン関連は充実している.通信は極めて淡泊な技術
  2. 図のわかりやすさにもバラツキがある.機構部品の説明図で,各部の名前だけが記されたような図が多数あるが,原理が見て取れるような図は少ない
  3. ボディ制御 (第五章) と通信 (第七章) では参考文献が上げられていない
新人にとりあえずこれをまず読めと渡すには無難だが,買わせるのは度胸がいる本と思う.と言うのも,カバーする範囲が広過ぎることと原理の説明が表面的で,読み終えても何となくわかったような,しかしどれ一つとしてこれからどんどん勉強していけそうな気にはならないという読後感が残るため.二度読む気はしない.

2010/6/24
デンソーカーエレクトロニクス研究会 (著), 加藤 光治 (監修) 



ミルクゼリーのレシピ (ミックス&やわらか版)

少し前前回で,それぞれ練乳 (コンデンスミルク) と植物性のホイップクリームを入れるレシピを試した.次は当然,練乳とホイップクリームを両方入れて見る.ついでに,固いとの声多数だったので,柔らかめにしてみた.

材料 牛乳300cc,練乳50cc,ホイップクリーム50cc,粉ゼラチン5g,バニラエッセンス (無くても良い) (→ 丼一つにかなり多めのミルクゼリーができる)
  1. 牛乳150ccを粉ゼラチンが溶けやすくなるよう,沸騰しない程度に温める.
  2. 粉ゼラチンを少しずつ入れながら,泡だて器でよく混ぜて,粉ゼラチンを溶かす.ドサッと入れると,ダマになって触感が悪くなる (が,食べられはする)
  3. 練乳とホイップクリームを,粉ゼラチンを溶かした牛乳に入れる.さらに残りの牛乳150ccを入れる.バニラエッセンスを数滴入れて,よく混ぜる.
  4. 適当な容器に分けて,荒熱を取った後に冷蔵庫に入れる.
  5. 1時間半~2時間で固まる.
甘さは控えめの分量割合.当然のことながら,かなり柔らかめになって,滑らかでより美味しい (当ブログ比)

ザっとWebで調べてみた.Googleで「ミルクゼリー 粉ゼラチン」を検索し,クックパッドの「955品」を飛ばしてミルクゼリーのレシピ上位10ページの粉ゼラチン5g当たりの水分量を求めた.結果は,平均332.9cc,標準偏差157.9,最大660cc,最小166ccだった.

今回のレシピでは水分量は400cc.660ccはかなり強者の感じもするが,トライしてみよう.
 

2016年9月4日日曜日

ミルクゼリーのレシピ (ホイップクリーム版)

前に,水を使わずに牛乳と練乳 (コンデンスミルク) で作る方法を書いた.今回は,同じく水を使わずに,練乳ではなく植物性のホイップクリームを使うレシピである.脂肪分の多いアイスクリームのような,まったりした食感と味になる.生クリームでももちろん良いが,如何せん値段が倍以上する.

材料 牛乳150cc,ホイップクリーム100cc,粉ゼラチン5g,バニラエッセンス (無くても良い),砂糖適量 (→ 丼一杯程度のミルクゼリーができる)

  1. 牛乳150ccを粉ゼラチンが溶けやすくなるよう,沸騰しない程度に温める.
  2. 粉ゼラチンを少しずつ入れながら,泡だて器でよく混ぜて,粉ゼラチンを溶かす.ドサッと入れると,ダマになって触感が悪くなる (が,食べられはする)
  3. ホイップクリームと砂糖を,粉ゼラチンを溶かした牛乳に入れる.バニラエッセンスを数滴入れて,よく混ぜる.
  4. 適当な容器に分けて,荒熱を取った後に冷蔵庫に入れる.
  5. 1時間半~2時間で固まる.
甘さは,飲むと少し甘過ぎるぐらいの甘さが適当.冷えると,甘みが弱まるので.

上記のホイップクリームの割合ではまったりし過ぎていて,さっぱりした方が良ければ,ホイップクリームを減らしてその分牛乳を増やせば良い.


2016年8月28日日曜日

『フラッド』

アウトロー探偵バーク・シリーズの1作目.日本で修業を積んできた美人武術家フラッドの依頼で,友人の仇のコブラなるベトナム帰りを探して...というお話.読んだのは,徳間文庫版.

良いところ:
  1. ひと昔前のニューヨークには,こんなところがあったと垣間見えるところ
  2. 主人公が色々怪しげな仕組みを使って公衆電話を駆使するところ.時代なりにセキュリティ(を破る)技術があるのだということがわかる
残念:
  1. 中身の割に長いと感じられた
  2. 話の組み立てが散漫と感じられた.
率直に言って,退屈というか読み進めるのが辛かった.読解力の問題かもしれないが,武器密輸の話など,本筋との関係が読み取れなかった.どこかによい解説はないだろうか?

下巻巻末の訳者あとがきでも,『「人外魔都」(←ニューヨークのこと)の探検家』と作者のことを紹介して,作品やストーリのことはそっちのけ.

「アンドリュー・ヴァクス(Wikipedia)」 によると,第二作の『赤毛のストレーガ』 (Strega)(1987年)はフランス推理小説大賞を受賞したとのこと.読んでみようか,どうしようか,悩ましい.

フラッド 上巻 下巻
1988/6/15
アンドリュー・ヴァックス (池本 和夫訳)

フラッド (ハヤカワ・ミステリ文庫)
1994/09
アンドリュー ヴァクス (佐々田 雅子訳) ← 翻訳者が異なる

ミルクゼリーのレシピ

水を使わずに,牛乳と練乳 (コンデンスミルク) で作る.粉ゼラチンを使用する.

材料 牛乳200cc,練乳50cc,粉ゼラチン5g,バニラエッセンス (無くても良い) (丼一杯程度)
  1. 牛乳150ccを粉ゼラチンが溶けやすくなるよう,沸騰しない程度に温める.
  2. 粉ゼラチンを少しずつ入れながら,泡だて器でよく混ぜて,粉ゼラチンを溶かす.ドサッと入れると,ダマになって触感が悪くなる (が,食べられはする)
  3. 残りの牛乳と練乳を,粉ゼラチンを溶かした牛乳に入れる.バニラエッセンスを数滴入れて,よく混ぜる.
  4. 適当な容器に分けて,荒熱を取った後に冷蔵庫に入れる.
  5. 1時間半~2時間で固まる.
森永製菓の「クックゼラチン」5g (小袋1つ) で上記分量だと,柔らかめのミルクゼリーが出来上がる.丼で作ると,皿に出したら自重で平べったくなってしまう程度.好みで牛乳を増減する.

上記の練乳の割合では甘すぎるという場合は,練乳を減らしてその分牛乳を増やせば良い.

素材辞典 ゼラチン (本高砂屋)」によると,「板ゼラチンは、粉に比べるとクセがなく、透明感のある仕上がり」とのこと.が,水でふやかす手間が加わる.

毎日作るとかなら別だが,たまに作る程度ならば小袋に分けられたものが,保存も楽.
森永製菓

2016年8月21日日曜日

ハンバーグのレシピ (2016年8月版)

ハンバーグに入れる調味料」のベストアンサーによると,「ナツメッグを加えたミンチは、肉が焼ける時に出るおいしそうな香りを放ちます」とのことである.試してみたら,確かに違いがわかる.という訳で,レシピを改訂.ナツメグを材料に加えただけ.

材料 牛豚合挽肉400g, タマネギ小1個 (2人前程度)

調味料・香辛料
  塩 小さじ1
  胡椒 少々
  タイム 少々
  ナツメグ 少々
  1. タマネギは,細かく刻む
  2. 挽肉・刻んだタマネギ・調味料・香辛料をよくコネて成形し,ハンバーグパテにする
  3. フライパンに油を薄く引いて,強火でなじませる
  4. ハンバーグパテの表面 (表・裏・側面)をよく焼く (少し焦げる程度)
  5. フライパンを濡れ布巾で冷まし,蓋をしてハンバーグパテを低温でゆっくり焼く.
  6. 厚みによるが,8分~10分程度,中までしっかり火を通す
前の版で「コツは最後にゆっくり焼くこと」と書いた.偶然,テレビで水島 弘史さんの説明を聞き,理に適っていることがよくわかった.この方は,たくさん本を出されている.ボチボチ,読んでみるつもり.